【絵本14】『おにたのぼうし』やさしい鬼の子

“にんげんって おかしいな
おには わるいって、きめているんだから
おににも、いろいろ あるのにな
にんげんにも、いろいろ いるみたいに”

ある男の子の家の天井に、おにたという鬼の子が住んでいました。
おにたは気のいい鬼です。なくしたビー玉をこっそり拾ってやったり、お父さんの靴をピカピカに光らせておいたり・・・。
ですが、豆まきの音が聞こえだし、おにたは外に出なければいけません。

雪の降るなか、豆の匂いがせず柊を飾っていないお家を見つけて入ってみると・・・。

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もうすぐ節分ですね。
節分には、この絵本が読みたくなります。

お母さんを看病する女の子との交流、そして女の子が豆まきしたがっていることを知ったおにたの寂しさが、読んだ後も切ない余韻を残します。おにた、消えちゃうし・・・。「人魚姫」みたいな展開です。

皆さんはお家で豆まきしますか?

我が家では、掃除が大変だからということで小袋に入った豆をちょろちょろっとまく程度になっています。

おにたみたいな心やさしい鬼のことを思うと、そのやさしい鬼が居場所を求めてさまよっていることを思うと、豆まきもちょっと躊躇しちゃうなぁ。なんて。

座敷わらしみたいにかわいいおにたを、いわさきちひろさんが見事に描いています。

『おにたのぼうし』
あまんきみこ 文
いわさきちひろ 絵
ポプラ社 1969年初版
読んであげるなら:3歳さんくらいから

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