【英語で楽しむ絵本】『14ひきのおつきみ』

こんにちは、びりぃBooksです。

あっという間に9月ですね。ささやかな季節の変化を感じながらも、まだまだ暑い暑い〜。もうちょびっと秋らしくなるのが待ち遠しいです。

9月といえば、お月見。今年の十五夜は9月17日だそうです。
わたしの家では飾りつけとか、お供えとか特にするわけじゃないんですが、お家で何かされてますか。まんまるのお月さまは、ただ眺められるだけで風情を感じますね。

今日は、「お月見」の一冊をご紹介します。

・・・おはなし・・・

今夜は十五夜。14ひき家族の子どもたちはクヌギの木に登って、なにやら作っています。ときどき虫や鳥、かえるも観察にやってきます。

みんなが作っているのは、お月見台。完成するころには、空がだんだんと赤く染まりはじめます。

大人たちが、お供えもののまぁるいお団子や、栗の実やどんぐりを持ってやってきました。

さあ、お月さんの登場です。
お月さん、ありがとう。たくさんの実りをありがとう。14ひきのねずみたちはお月さんのやさしい光のなか、お供えものをみんなでいただきます。

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お月さまのやわらかな光と、お月さまに秋の実りを感謝する14ひきの描写に心がとても落ち着きます。空の色がだんだんと変わっていく様子が息をのむくらいきれいなんです。


英語版は、詩人であり数々の翻訳を手がけるアーサー・ビナードさんが担当されてます。

わたしが特に好きなフレーズは

“もりが もえてる。やまが もえてる。そらが もえてる。みんな もえてる。”
“The forest, the distant mountains, and the sky are all dyed sunset-colors.”

“こんばんは、まんまる おつきさん。ひろい うちゅうに ぽっかり うかんでいる。”
“So big and round and beautiful… It feels like the whole universe is there for the moon to float in”

どちらも情景がありありと思い浮かぶフレーズです。
2つめの文は、英語版の方がより感情が伝わってくるのが面白いです。

文章が短いので、英語も読みやすいと思います。

読んでいると、自分も自然の一部であること、そして自然のなかで生かされている、ということをじんわり思い出させてくれます。

日本で受け継がれてきたお月見の心がしっかり伝わってくる、素敵な一冊です。

『The Family of Fourteen And the Moon』
Iwamura Kazuo
Translated by Arthur BInard
Doshinsha

『14ひきのおつきみ』
いわむらかずお さく
童心社 1988年




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