
新美南吉さんの童話集を読みました。
『手ぶくろをかいに』『ごんぎつね』『でんでんむしの悲しみ』など、知っているお話もあったけれど、初めて読むお話もたくさんあって新鮮でした。
子どものことが好きなちいさな神さまのお話、
牛をあずけられて改心するどろぼう親分のお話、
皆のために井戸づくりの資金を貯める海蔵さんのお話、
切られてしまった仲良しの木の行方をたどる小鳥のお話・・・
激しいおならをする癖のあるイタチを、たんじょうび会に誘うかどうか、動物たちが迷うお話は、読んでいて笑ってしまうけれど、その結末に、共存や調和の難しさを突きつけられるような気持ちになる。
切なさが胸をかすめながらも、あたたかさやいのちの輝きを感じるお話たち。
なにより、新美南吉さんの動物や人への眼差しがやさしい。
子どものときに、たくさん出会いたかったなぁと思ったのでした。
先日公園で出会ったかたつむりくん。
ゆっくりゆっくり進む姿に、『でんでんむしの悲しみ』が重なりました。

「あなたばかりじゃありません。わたしの背中にも、悲しみはいっぱいです」
「悲しみは、だれでも持っているのだ。私ばかりではないのだ。わたしは、わたしの悲しみを、こらえていかなきゃならない」
ーさみしさもあるけれど、悲しみという感情を抱えながらも進む潔さを感じられるせりふです。
『新美南吉童話集』
世界文化社


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